これは私の友人から、その友人の知合いのお父さんの話として実際に聞いた話なのだが、
その方のお父さんが、ガンで余命宣告を受けた際に、

学生時代を過ごした京都で、
鴨川を眺めながら死にたい、、、、

と仰られたらしい。

それで、その息子さん(私の友人の知合い)は、
適当な物件の少ないなか、
四方手を尽くされ、眼下に鴨川の見える部屋をお父さんのために確保され、
そのお父さんは最晩年の日々を望み通り、
鴨川を眺めながら過ごされたのだという。

なんでも、その方のお父さんは、京大の理学部のご出身で、
同じクラスに、後に国際的な賞を受賞することとなる同級生
(日本人なら誰でも知っている高名な科学者)がいて、
これはとてもかなわない、、、、と痛感され、
当初は研究者として大学に残る志望であったにも関わらず、
結局、卒業後は教育業界に進まれることにしたらしい。

その方のお父さんというのも、これまた教育業界では神様的存在で、
私の世代では知らない人間はいないほど高名な方だったが、

最晩年の日々、鴨川を眺めながら何を想われていたのか、
同級生と議論し将来の夢を語り合った青春の想い出か、
研究者になることを諦めた失意の記憶だったのか
胸中を去来したものが何だったのか知る由もないが
(たぶん、それら全てを包み込んだ青春そのものの映像といったものだろう)

これに類する話は、京都では実に多い。

不動産業者から、学生時代を京都で過ごした
という方が
京都の物件を購入したとか、探している
とかいう話を聞くことは日常茶飯事だ。

そうした動き(京都で学生時代を過ごした団塊の世代の京都移住熱)に着目した
あるマンション分譲業者にいたっては、

わが青春は京都に、、、、

というキャッチコピーをつけた
分譲マンションの一面広告を新聞に掲載したらしい。

なにやら赤面したくなるようなコピーだが、
永遠の学生の街、青春の都、京都ならではの話